こんにちは、ハラペコです。
そろそろ就職活動が本格化する時期でしょうか。就活生の皆さん、調子はどうですか?順調ですか?
中には「やっぱりこれからはITやで!!」と、SIerと呼ばれるシステム開発会社への就職を検討している人もいることでしょう。実際、大手SIerは人気がありますしね。
でも、ちょっと待ってください。
もしかしたら、あなたは大手SIerへの就職は向いていないかもしれません。
大手SIerで約12年勤務している僕が「こんな人は向いているのでSIerに就職してもええんちゃうかな」「こんな人は向いていないのでSIerに就職するのだけは絶対にやめとけ」などなど、赤裸々に語ろうと思います。
目次
SIer(エスアイアー)とは?
SIer(エスアイアー)とはシステムインテグレータの略で、ざっくり言うと、お客様(企業、官公庁など)からシステム開発の依頼を受けて、システムを開発する会社です。
大手で言うと、NTTデータ、野村総合研究所(NRI)とかですね。
ごく稀に自社サービスを展開しているSIerもいますが、基本的には外部企業からシステム開発の受託を受けて、「じゃあシステム開発してあげるから1,000万ちょうだいね」とか言ってシステム開発費をもらう、という商売をしています。
また、システムを開発して納品した後、「よかったらシステムの保守運用、お手伝いしましょうか?年間300万円で運用してあげますよ?」みたいなことを言って保守費をもらう、という商売もしています。
利益率が高いのは往々にして後者のシステム保守なので、
- システム開発は利益率を低めにして、確実に受注を取りに行く
- 無事に受注できたらシステム保守でガバガバ儲ける
というパターンが多いですね。
SIerでの仕事内容は?
SIerと呼ばれる会社の基本業務(仕事内容)は、システム開発です。
上述のように、システム保守の仕事もあるにはあるのですが、規模感はかなり小さく、保守業務に携わっているエンジニアは割合的にはかなり少ないですね。
というわけで、SIerのメインの仕事はシステム開発と言えるわけです。
システム開発と一口に言っても、各人で役割がきっちり分かれていまして、
- プロジェクトマネージャー
- アプリケーション開発エンジニア
- システムアーキテクト
- インフラエンジニア
みたいな感じですね。
プロジェクトマネージャーはその名の通り、プロジェクトの管理をする人で、プロジェクトを適切に遂行し、障壁があれば取り除くという役割です。具体的には、プロジェクトがスケジュールどおりに進行しているかを管理する「進捗管理」、バグの検出数やバグの傾向を分析して、適切な品質強化策を策定し、実行管理をする「品質管理」なんかが主な仕事です。めちゃくちゃざっくり言うとですけどね。
で、アプリケーション開発エンジニア、システムアーキテクト、インフラエンジニアというのはそれぞれ、アプリケーションの設計・開発をする人、システム全体の方式や構成を設計する人、サーバやミドルウェアなどのインフラの設計・開発をする人です。めちゃくちゃざっくり言うとですけど。
で、SIerでは主にどこを担当するかといいますと、「プロジェクトマネージャー」です。
一応、アプリケーション開発やインフラ開発のリーダーとしてSIerのエンジニアが配置されることが多いのですが、基本的には要件定義や外部設計をやるぐらいで、それ以降の内部設計~コーディングなんかは協力会社に委託して、あとはマネージメントに専念、というパターンが多いです。つまり、アプリケーションやインフラの領域に特化したプロジェクトマネージャーですね。
つまり、SIerの主な仕事はプロジェクトマネージメントなんですよね。
新卒でSIerに入社すると、多くの人はエンジニアとしてそのキャリアをスタートさせますが、経験を積んでいくとほぼすべてのエンジニアがプロジェクトマネージャーにシフトしていきます。
それぐらいプロジェクトマネージャーを偏重しているんですよね。
なぜかといいますと、特に大手SIerの場合は、受託するシステムの規模が大きい(社会インフラなど)ので、しっかりプロジェクトマネージメントをしないと、それはそれは大変なことになるんですよね。
スケジュールが大幅に遅れればクライアントに迷惑をかけるだけでなく、社会的地位がだだ下がりすることもあり得ますし、システム稼働後に重大なバグが見つかれば、莫大な損害賠償を請求されることだってあるわけで。
プロジェクトマネージメントに失敗すると、企業の存続すら危うくなる可能性が出てくるわけです。
こういう理由で、特に大手SIerではプロジェクトマネージメントにかなりの比重を置いています。
大手SIerへの就職が向いているのはこんな人です
前置きが長くなってしまいましたが…!
ここから、大手SIerへの就職が向いている人、向いていない人を解説していきます。
最初は、大手SIerへの就職が向いている人です。以下に該当する人はSIer向きかなと思います。
- 向いている人の特徴1:安定志向である
- 向いている人の特徴2:大規模なシステムに携わりたい
- 向いている人の特徴3:プロジェクトマネージャーを目指したい
それでは順番に解説していきます。
向いている人の特徴1:安定志向である
SIerに限った話ではありませんが、駆け出しのベンチャーに比べれば、大手企業の方が比較的安心して働けますよね。
給与体系もしっかりしているし、福利厚生も充実していますしね。
さらに「両親が安心する」という副次効果もあります。

青年
母さん、僕、NTTデータに就職することにしたよ
NTT…!あんた、立派になって…!!

母
みたいな。
安定した給料や福利厚生、しっかり整備された労働環境を重視する人は、大手企業である大手SIerに就職するとよいでしょう。
向いている人の特徴2:大規模なシステムに携わりたい
上でも書きましたが、大手SIerの特徴はやはり「非常に大規模なシステムの開発に携わることができる」という点です。
このあたりはベンチャーや中堅SIerには真似できないところですね。
大規模なシステムに携われるということは、自分が開発したシステムをめちゃくちゃ多くの人が使ってくれるということなので、わかりやすい形でやりがいを感じることができます。
例えば、それがエンドユーザ向けのシステムであれば、実際にそれを使っている人を見かけたりして「おおっ…!僕が作ったシステムを使っている人がいる…!」と感動するものです。
そして、さらに「両親が喜んでくれる」という副次効果もありますね。

父
へー、最近は○○もインターネットでできるようになったんやなぁ
そのシステム作ったの、僕なんよ

青年

父
えっ、そうなんか…!立派になったもんやなぁ…!!
みたいな。
こういったものを望む人は大手SIerに入るといいでしょう。
向いている人の特徴3:プロジェクトマネージャーを目指したい
上述のとおり、大手SIerの仕事のほとんどはプロジェクトマネージメントなので、「プロジェクトマネージャー(PM)としてバリバリやっていきたい」「PMとかマジ憧れ」「PM超カッコイイ」みたいな人には大手SIerはおすすめです。
大手SIerに入社してシステム開発職(エンジニア)に就けば、否が応でもプロジェクトマネージメントをやらされますので、プロジェクトマネージメントスキルが自然と身につきます。
大手SIerへの就職が向いていないのはこんな人です
逆に、大手SIerへの就職が向いていない人は以下に該当する人です。
こういった方は大手に限らず、SIerに就職するのはおすすめしません。
- 向いていない人の特徴1:最新技術を使いたい
- 向いていない人の特徴2:プログラミングスキルを身につけたい
- 向いていない人の特徴3:人とコミュニケーションを取るのが苦手である
順番に説明していきます。
向いていない人の特徴1:最新技術を使いたい
上述のとおり、大手SIerでは大規模なシステム開発を受託する場合が多いのですが、大規模なシステム開発は基本的にスケジュールが長く、開発コストも大きいので、その分、スケジュールの遅延リスクが高くなり、開発コストの超過リスクも高くなります。
当然のことながら、スケジュールのリスクと開発コストのリスクをコントロールするのに手一杯になってしまうので、せめて品質リスクは高くならないようにしたいと思うわけです。
となると、まだ発展途上であり、バグもいっぱいありそうな最新技術というのは、採用を見送られがちなんですよね。
これはかなりのSIerあるあるです。
したがって、最新技術を使ったシステム開発というのはSIerではなかなか経験する機会がないので、「最新技術、バリバリ使いたい!」みたいな人には大手SIerは向いていません。
向いていない人の特徴2:プログラミングスキルを身につけたい
これまた上述のとおり、SIerの主な仕事はプロジェクトマネージメントです。
エンジニアとしては、かろうじて要件定義や外部設計など、システム仕様の設計ぐらいは経験することができますが、内部設計以降のコーディングは協力会社に委託することがほとんど、と説明しました。
なので、SIerにいても、コーディング(プログラミング)は経験できません。
ごく稀に、イケてる上司にあたると「そうかそうか、プログラミングをやりたいのか、じゃあそういう案件にアサインしたるわ」みたいなことがありますが、まぁほとんどないですね…。
希望すれば、総合テストあたりで使うテストツールの開発ぐらいは経験することができますが、所詮はテストツールであり、商用システムではありません。
残念ながら、SIerで実践的なプログラミングスキルを獲得するのは難しいです。
向いていない人の特徴3:人とコミュニケーションを取るのが苦手である
繰り返しになってしまいますが、SIerのメインタスクはプロジェクトマネージメントです。
プロジェクトの進捗を確認するには、進捗管理表を確認しつつ、エンジニアに「どうよ?順調?」などど、直接コミュニケーションを取ることも必要です。
品質管理をするには、バグ管理表を確認しつつ、「あのバグの改修に苦戦してるみたいだね。どの辺で手こずってる?」みたいなコミュニケーションも必要です。
さらに、社内向けにプロジェクトの状況をレポートしたり、クライアントにプロジェクトの進捗状況を説明に行ったりなんかもあります。
……もうお気づきですよね。
プロジェクトマネージャーの仕事は、コミュニケーションありきの仕事ばかりです。
メールなどの非対面でのコミュニケーションで事足りる場合も多々あるのですが、大事な局面では対面のコミュニケーション能力が必要とされるので、ここらへんに難がある場合はちょっとしんどいです。
なので、「僕、できるだけ人と関わらずに生きていきたいんですけど…」みたいな人には全然向いていません。
すでに就職してしまった場合は転職を考えましょう
もしかしたら、ここまで記事を読み進めてくれた方の中には「げ、俺、就職先間違ったかも…」なんていう方がいらっしゃるかもしれません。
でも、安心してください。ちっとも難しい話ではありません。転職すればいいだけの話です。
30代後半のノースキルおっさんである僕ですら「よっしゃ、転職しよ」みたいな軽いノリで転職したぐらいですからね。
「就職先、間違ったかも…」なんて思いながら、今の会社で働き続けるのは精神的によくないと思います。
まずは転職エージェントに登録しつつ、求人情報をストックしておくだけでも気持ちがずいぶん楽になるのではないでしょうか。
後述する転職エージェントはすべて無料で登録できますので、まずは登録だけしておき、求人情報をゲットすることをおすすめします。
もしかしたら、「おっ、この会社いいな…」という求人情報が見つかるかもしれませんよ。
また、いますぐに転職する気がなかったとしても、今から求人情報をストックしておけば、「アカン、やっぱり転職しよ…」と思ったときに、すぐに転職活動を始めらるというメリットがあります。
優秀な転職エージェントが在籍する転職エージェント会社はこの3つです
最後におすすめの転職エージェントをご紹介します。
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今回はこれで以上です。それではまた!