僕は某大手SIerに勤務しているのですが、色々な事情により、36歳とかなりのおっさんの年齢であるにもかかわらず、転職を決意しました。
で、「転職先、どうしようかな…」と悩んだわけですが、「そういえば元同僚の多くが社内SEに転職してたな…。よし、社内SEに転職しよ!」と極めて不純な理由で社内SEに転職することにしました。
ところが、です。
某大手企業の社内SE職に応募してみたものの、秒レベルで「書類選考落ち」の連絡が来ました。
それも1社だけではありません。2社、3社と応募してみましたが、どれもこれも一瞬で「書類選考落ち」です。
「な、なぜだ…」と非常に落胆した僕ですが、選考落ちの理由を確認したところ、全社見事に同じ理由でした。
本記事では、僕が書類選考落ちを食らったことでわかった、SIerから社内SEへの転職に必要なスキルや経験について解説します。
目次
SIerから社内SEへの転職に失敗した理由
失敗理由を説明する前に、僕のスペックを晒しておきます。
- 年齢:36歳
- 現職:某大手SIer
- 職種:プロジェクトマネージャー(システムエンジニア上がり)
- 経験:金融系プロジェクト約12年
それでは本題です。
これまでの経験を活かし、社内SEのプロジェクトマネージャー職の求人に応募したのですが、某大手企業3社から見事に書類選考落ちを食らいました。
「選考落ちの理由」欄をよく見てみると、3社揃いも揃って同じ理由が書かれており、それは以下の内容でした。
- 理由1:大規模プロジェクトの経験が少なすぎる
- 理由2:プロジェクトマネージャー以外の職種での経験が少なすぎる
それでは順番に説明していきます。
理由1:大規模プロジェクトの経験が少なすぎる
僕が応募したのは大企業の社内SEポジションだったこともあり、求人の必須条件には「大規模案件でのプロジェクト管理経験」と書かれていました。
企業規模が大きくなればなるほど、社内システムも大規模になるでしょうから、当たり前っちゃあ当たり前ですね。
で、僕がこれまで携わってきたプロジェクトと言えば、比較的小規模(最大100Ksぐらい)なものがほとんどだったので、この必須条件に全くと言っていいほど当てはまりませんでした。
正直、「まぁ大規模プロジェクトはやったことないけど、書類選考ぐらいは通るっしょw」ぐらいに思っていたので、選考落ちを食らったときは「やっぱり大規模プロジェクトの経験は絶対に必須なんだな…」と思い知らされました。
理由2:プロジェクトマネージャー以外の職種での経験が少なすぎる
プロジェクトマネージャー職の求人に応募しているわけですから、本来ならば、これで書類選考落ち決定なわけですが、応募した某大手企業は3社ともとても親切で、他の求人(エンジニア職)にフィットしないか、見てくれたんですよね。
優しい…!ありがたい…!
ところがどっこい、「残念ながら、エンジニア職でもフィットする求人はありませんでした」と言われてしまい、これにて完全無欠の選考落ちです。
僕は一応、システムエンジニア上がりのプロジェクトマネージャーなのですが、エンジニア時代はネットワークエンジニア→サーバエンジニア→アプリケーションエンジニアとかなり中途半端な感じでエンジニア職を変えていってしまったので、それぞれの領域の専門性が極めて低いんですよね。
よくも悪くも「何でも屋」という感じです。
専門性が求められるエンジニア職に転職するには、この経歴だと厳しい…。
SIerから社内SEへの転職に必要な経験とスキル
こうして、社内SEへの転職は箸にも棒にもかからない感じで、あえなく失敗してしまいました。
「この状態から、どうやって社内SEへの転職を成功させたのかご説明します!」と続けばいいのですが、残念ながらそうは続きません。
「あ、これはアカンわ」と、早々に社内SEへの転職を諦めてしまったんですよね。36歳とかなり年齢が高めだったこともあり、こだわりすぎるのは悪手なのかなと。
以降は、選考落ちのときに某大手企業たちから言われた「もしこういうスキルや経験があったら、可能性あったんですけどね」というスキルや経験をご紹介します。
- その1:大規模プロジェクトでの開発経験
- その2:応募企業の業界・業務ノウハウ
- その3:英語力
順番に説明していきます。
その1:大規模プロジェクトでの開発経験
これは言わずもがなですね。
応募した企業が大企業であればあるほど、大規模プロジェクトの開発経験が必須でしょう。
「大規模プロジェクトってどれぐらいの規模感よ?」という疑問が沸くと思いますが、転職エージェント経由で聞いた感触だと
開発費が10億円以上
なのかなと理解しました。
当然のことながら、プロジェクトマネージャー職で応募するならプロジェクトマネージャー、エンジニア職で応募するならエンジニアとして、大規模プロジェクトに参画した経験が必要です。
その2:応募企業の業界・業務ノウハウ
これは何を意味しているのかと言いますと、
応募企業の業界向けのシステム開発経験があるか?
ということですね。
たとえば、三井不動産の社内SEに応募したいのなら、「デベロッパー(三井不動産、三菱地所など)向けのシステム開発の経験があるか?」ということです。
もしあなたが30歳を超えているのであれば、この経験がないと転職は難しいのかもしれません。
20代であれば、たとえ業界未経験でもポテンシャルを買われて採用してもらえるケースが多々ありますが、30代、40代はそうはいきませんからね…。
その3:英語力
僕が応募した某大手企業は3社とも、海外にいくつも拠点のある企業だったので、以下のスキルがあればなおよし、という感じでした。
現地のベンダと英語でコミュニケーションを取れるスキル
恥ずかしながら、僕は長らくTOEICなどのテストを受けていなかった(最後に受けたのは15年前ぐらい)ので、自分の英語力をアピールできる証跡が何もなく…。
一応、英語で設計書を書いたり、メールで海外のクライアントとコミュニケーションを取った経験はあったので、「読み書きはできます」的なことを書いて応募したのですが、サッパリダメでした…。
社内SEの「社内」は、大企業になればなるほど「全世界に散らばる全ての社内拠点」になりますからね。
こういった企業に応募するなら、英語力は必須ですね。
まずはSIerで社内SEへの転職に必要なスキルや経験を身につけましょう
もしあなたがどうしても社内SEに転職したいのであれば、まずは現職であるSIerで、社内SEへの転職に必要なスキルや経験を身につける必要があります。
特に大企業の社内SEを目指すなら「大規模プロジェクトでの開発経験」は必須です。
そのためにはまず、大規模開発をやっている部署に異動して、大規模プロジェクトの開発を経験しましょう。
「いやいや、今の会社では大規模開発なんてやってないんだけど…?」という方は、社内SEへの転職の前に、一度、大規模プロジェクトの開発を経験できる会社に転職するのもアリかなと思います。
さらに、社内SEとして入社したい企業があるのであれば、その企業ないしは業界がクライアントのシステム開発会社に転職できるとベターですね。
ただ、この選択肢を選ぶ場合、かなり信頼できる転職エージェントを見つけないといけません。
エージェント(担当者)に「一回、○○業界向けの大規模なシステム開発が経験できる企業に転職した後、△△に社内SEとして転職したいんすよね」と伝えたところで、希望通りに担当者が動いてくれるとは限りません。
なぜなら、転職エージェントのビジネスモデルは「転職させてナンボ」なので、担当者によっては自分の利益優先で、とにかくあなたが転職しやすい企業をひたすら薦めるだけかもしれません。
なので、あなたの希望を聞き入れ、親身になって転職先を探してくれる転職エージェントを探さないといけないのです。
以下の3つは、僕が実際に使ってみた転職エージェントで、いいエージェントさんに巡り会うことができたものです。
登録自体はいずれも無料ですので、軽い気持ちで登録しつつ、まずは色んな担当者と話してみて、自分に合いそうな担当者を探すのがいいかなと思います。
- 「リクルートエージェント | 転職支援実績No.1」
→リクルートが運営する国内最大級の転職エージェントです。求人数が非常に多いことに加えて、優秀な担当者の方が多いため、まずはここに登録することをおすすめします。利用料は完全無料です。 - 「ビズリーチ | 国内最大級のハイクラス転職サイト」
→ハイクラス(年収600万程度)向けの転職サイトです。プランによっては有料なのですが、3ヶ月ぐらいはすべて無料で体験可能なので、まずは登録してみましょう。無料体験が終わると、自動的に無料プランに移行するという親切設計なので、「知らないうちに課金されてた!」みたいなことはありません。 - 「リクルートダイレクトスカウト(旧名称:キャリアカーバー) | リクルート運営のハイクラス転職サイト」
→リクルートが運営するハイクラス転職エージェントです。ビズリーチと違って完全無料なので、期間を気にせずに自分のペースで転職活動を進めることができますし、自分に合う担当者の方もじっくり探すことができます。完全無料がいいという方はこちらがおすすめです。
以上です。
あなたが無事、社内SEに転職できることを祈っています!