【現役SIer社員が解説】残業の少ない部署を見極める方法【内定者向け】

イイイヤッホーーーーーーウッッ!!大手SIerから内定もらったぜーーーっっ!!

と浮かれている、SIer内定者の皆さんが次に悩むのは配属先ですよね。

正直、大手SIerに入社するような人たちの思考って

「絶対ヒマな部署がいい!」

「残業少ない部署ってどこよ!?」

だと思うんですよ。かくいう僕もそうでしたし。

で、OB訪問とかインターンとかでちょっと遠回しに「この会社って結構忙しいんですかね…?」と先輩社員に質問すると、必ず帰ってくる答えがこちらです。

部署によるね。

部署によるね。

何やそれ!!!!!!!」って感じですよね。僕もそう思います。

でも、残念ながら、こう回答せざるを得ないのです。

本記事では、某大手SIerに約12年勤務している僕が、「部署による」という回答になってしまう理由を解説しつつ、最後に残業が多い部署の見極め方のコツを伝授します。

残業が少ないかどうかは「部署による」。こう回答せざるを得ない理由とは?

なぜ「部署による」なんていう曖昧な回答をするかと言いますと、

SIerはクライアント毎に縦割りなので、別の部署のことを詳しく知らないから

です。

この理由について、詳しく解説します。

理由:SIerはクライアント毎に縦割りなので、別の部署のことを詳しく知らないから

基本的にSIerの組織構成はクライアント毎に分かれています。

そして、大手SIerになればなるほど、1つ1つの組織が巨大化し、隣の部署が何をやっているのかが見えづらくなります。

さらに、それが見えづらくなったところで日々の業務に全く困らないので、段々と興味がなくなっていき、最終的に「別の部署が何をやっているのかよく分からない」という状態になります。

かろうじて、同期や同僚から「○○の部署のプロジェクトはめちゃくちゃ炎上している」とか「△△の部署は毎日定時帰りでうらやましい」みたいな情報を得ることによって、「なるほど、部署によって忙しさが違うのだな」と理解します。

そして何年も会社に勤めているうちに

  • ○○の部署はめちゃくちゃ残業が多い
  • △△の部署は毎日定時帰り
  • ××の部署は適度に残業がある

ぐらいの知識がついてきます。

ごく稀にこういった情報が大好きな人がいて、どの部署がどれぐらい忙しいかをめちゃくちゃ網羅的に抑えている人もいますが、よほどのモノ好きでもない限り、これぐらいの知識で満足してしまうので、うっかり就活生に「この会社って結構忙しいんですかね…?」と聞かれたところで、

(うーん、部署によって忙しさが違うんだけど、全部の部署のことを詳しく知ってるわけじゃないしな……。よし……!)

部署によるね。

という回答になってしまうというわけです。

残業が多い部署の見極め方を教えます

「部署による」とか言われても、「そらそうやろ」「もうちょっと他の回答の仕方あるんちゃうんかい」という感じかと思いますので、以降では、某大手SIerに約12年勤務してわかってきた、残業が多い部署の特徴について解説します。

ズバリ、残業が多い部署の特徴は以下のとおりです。

  • 特徴1:新規クライアントの開拓がミッション
  • 特徴2:超大規模な開発プロジェクトを担当

「残業の少ない部署がいい!」という方は、これらの特徴に当てはまらないクライアントを相手にしている部署を選べばいいというわけです。

それでは順番に解説していきます。

特徴1:新規クライアントの開拓がミッション

SIerというと、「特定のクライアントにべったり張り付いて受託開発の仕事をもらう」というイメージがあるかもしれませんが、そんなことばっかりやっていても全然売上が伸びないので、「ひたすら新規クライアントを開拓するのがミッションです」みたいな部署があったりします。

こういった部署は結構要注意なんですよね。

なぜなら、新規クライアントの案件は以下のようなパターンが多いからです。

<営業フェーズ>
新規クライアントから受注できそう
→でも「価格が高いのがネック」とか言われる
→新規クライアントの開拓がミッションなので、なんとしてでも受注したい
→めちゃくちゃ価格を下げる
→なんとか受注

<開発フェーズ>
価格を下げすぎたがゆえにエンジニアの稼働が足りなくなり、ちょっとしたトラブルですぐに炎上する
→クライアントに追加費用の提案をするものの「これ以上お金は出せない」と断られる
→お金がないので要員を増やせない
→既存要員がめちゃくちゃ残業して何とかする

僕もこういったプロジェクトに放り込まれたことがありますが、基本的に平日は仕事以外何にもできません。本当に何にもできません。家には寝るために帰るだけ、といった感じになります。

そして、こういった特徴が色濃く出やすいのは、大手SIerだと公共系や金融系ではなく、「法人系の新規シンクライアント」かなと思います。

特徴2:超大規模な開発プロジェクトを担当

超のつくほど大規模な開発プロジェクトは、往々にして「トラブりやすい」という特徴があります。

なぜなら、規模が大きすぎるがゆえに、プロジェクト開始時点で読み切れないリスクが多すぎるのです。

コストしかり、スケジュールしかり、品質しかりです。

また、非常に多くのエンジニアが参画するので、人間関係のトラブルも結構あります。

しかしながら「クライアントがお得意さまで、付き合いが長い」とか「既存の超大規模システムの更改案件」という場合はその限りではありません。

なぜなら、クライアントの特性がよくわかっていたり、対象システムが扱う業務ノウハウがあったりするので、プロジェクト開始時点で色々なプロジェクトリスクを事前に見切ることができるからです。

一番危ないのは、「新規クライアントかつ超大規模な開発プロジェクト」ですね。

経験上、ほぼ100%トラブります…!

最後に

以上の情報を踏まえれば、「残業が多すぎて死にそう」という部署はある程度見極められるかなと思いますので、ヒマな部署がいいという人はそれ以外の部署を希望すればOKというわけです。

ただ、いくら残業の少ない部署を希望したからと言って、必ず希望が通るとは限らず、残念ながら、めちゃくちゃ忙しい部署に配属されることもあるでしょう。

ここはもう本当に「ガチャ」なので、そうなった場合は諦めるしかないです。

しばらくは踏ん張りつつ、異動希望を出しまくりながら、時が来るのを待ちましょう。

とはいえ、「もう無理…」となってしまった場合は、サクッと会社を休めばOKです。

体を壊してしまっては元も子もありませんからね。無理のしすぎは絶対に禁物です!!

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