「Matcher(マッチャー)」や「ビズリーチ・キャンパス」などのOB訪問アプリをきっかけに、すっかり「就活生全員がやるもの」と化したOB訪問。
正直、以下のようなことを思っている就活生って多いと思うんですよね。
「なんかみんなOB訪問やってるけど、あれって意味あんの?」
「OB訪問ってあれだろ?内定者とか社員が上から目線でアドバイスを押しつけてくるやつだろ?」
「OB訪問、メンドクセ」
上から目線でアドバイスを押しつけてくる人はごく一部だと思いますけど、ぶっちゃけ、押しなべて見れば「まぁそうやね」って感じです。すみません。
でも待ってください。
実は、OB訪問って完全に面倒くさい代物なのですが、それでも就活を早く終わらせるにはうってつけの活動だったりするんですよ。
本記事では、OB訪問アプリで企業公認リクルータとして活動している僕が、OB訪問をやるべき理由について解説します。
OB訪問をやるべき理由を社会人目線で解説します
ぶっちゃけ、OB訪問をやるべき理由は「サクッと就活を終わらせるため」なのですが、もう少しかみ砕くと以下のとおりです。
- 理由1:志望動機を「それっぽく」書くためのネタを集められるから
- 理由2:面接で「御社への志望度はめちゃくちゃ高いです」とアピールできるから
- 理由3:給料や残業時間、福利厚生など、公式には得られない情報を集められるから
それでは順番に解説していきます。
理由1:志望動機を「それっぽく」書くためのネタを集められるから
今の就活って、第二志望とか第三志望だっとしても、面接では「御社が第一志望です!」って言わないといけないじゃないですか。
正直、第二希望とか第三希望の企業研究って、なかなか身が入らないというのが正直なところだと思うんですよ。
そんなときに役に立つのがOB訪問です。
気乗りしない中、無理やり自分で企業研究するより、OB訪問で小一時間話した方がよっぽど効率よく企業研究できると思うんですよね。
それに、その会社で実際に働いている人から生の声を聞けるわけですから、「おっ、今のは志望理由のネタになりそうやな…!」みたいなことが結構あるわけです。
さらに、OBがいい人っぽかったら、「ちなみに○○さんは、どうして今の会社に入社したんですか…?」と聞いてみることをおすすめします。
なぜなら、その人の志望動機を聞くことができるからです。しかも、その志望動機で実際に入社選考を通過しているわけで。
実際に採用された志望動機なんて、めちゃくちゃ有益なネタですよね。
もちろん、これは第一志望の企業でも使える技です。
色んなOBを訪問すれば、それだけたくさんの志望動機ネタが集まるので、相当に説得力のある志望動機を作ることができるはずです。
というわけで、良質な志望動機ネタを集められるという意味で、OB訪問はかなり有益です。
理由2:面接で「御社への志望度はめちゃくちゃ高いです」とアピールできるから
これは完全に面接対策です。
面接で「御社への志望度はめちゃくちゃ高いですよ」ということをアピールするためですね。
OB訪問をしておくと、面接で「御社は第一志望で、実際に○○事業部の△△さんにお話を伺ったところ、さらに志望度が高まりました!」みたいなことが言えます。
それを聞いた人事は「おお、OB訪問しとんのか…。なるほど、確かに志望度は高そうやな…!」と思うわけです。
ちなみに、これは「志望度の高さを態度で示す」というアプローチなのですが、別にOB訪問でなくてもOKです。
たとえば、昨今の就活だと「インターン」とかが有効ですね。
ただ、インターンはOB訪問に比べるとめちゃくちゃ時間が掛かります。
1dayのものもありますが、平均的には1~2週間程度なので、「志望度の高さを態度で示す」という意味では、若干コスパが悪いかもです。
理由3:給料や残業時間、福利厚生など、公式には得られない情報を集められるから
ぶっちゃけ、就職先を決めるときって、業界とか仕事内容とかの他に、以下のことも気になりますよね。
- 年収は?
- 残業時間は?
- 残業代、ちゃんと出る?
- 家賃補助はある?あるならどれぐらいもらえる?
- 退職金は?あるならどれぐらいもらえる?
でもなぜか、今の就活って「こういうことを気にしすぎるやつはダメ」っていう雰囲気です。
リクナビとかマイナビとかの就活生向けのサイトでも「給料の質問はNG!!」「福利厚生ばっかり気にするやつは採用されない!」みたいに書かれてますしね。
まぁ「給料がいいと聞いたので、御社が第一志望です!」って言われると、さすがに「お、おおっ…」ってなりますけど、労働者として就職する以上、給料とか福利厚生とかってめちゃくちゃ重要な要素だと思うんですよね。
何より腹立たしいのは、企業の採用者が「給料のことばっかり気にするやつは採る気にならんわ!」みたいなことを言ってて、「いやいや、お前もやってたやん」と。「さんざん給料とか残業時間のこととか調べ倒して就職先決めてるやん」と。「自分のこと、棚に上げてよう言うわ」と。
すみません、少し話が逸れました。話を戻しましょう。
就職先を決めるには、給料や残業時間は重要なファクターだと思いますが、残念ながら企業説明会などの公式な場でこれらの質問をするのは事実上不可能です。
では、どうすればいいかと言いますと、OB訪問で聞きまくるのです。
今はOB訪問のハードルが下がり、「Matcher(マッチャー)」や「ビズリーチ・キャンパス」なんかで簡単にOB訪問ができますよね。
特に「何でも話します」とか「企業の実態をお話しますよ」みたいなことを書いているOBにアポを取って、給料やら残業時間やら福利厚生のことを聞けばOKです。
注意点としては、「何でも話します」と言っているOBだからといって、「ぶっちゃけ、今の年収っていくらぐらいっすか?」みたいにストレートに突っ込みすぎると、さすがに引かれてしまう可能性があるので、「給料のこと、聞いてもいいですか…?」とお伺いしつつ、ジワジワと質問していくようにしましょう。
以上、OB訪問をうまく活用して、効率的に情報収集したり面接対策をしたりして、サクッと就活を終わらせましょう!
第一希望の企業から内定をもらえなかったとしても、落ち込む必要はありません
当然のことながら、OB訪問をうまく活用しつつ、就活をしたからといって、必ずしも第一志望の企業から内定をもらえるとは限りません。
「あーあ、OB訪問しまくって、完璧に準備したのになぁ。
こんな風に思ってしまうかもしれません。でも、落ち込む必要はまったくありません。
気持ちを切り替えて内定をもらえた企業に就職してしまいましょう。
理由は2つあります。
- 理由1:終身雇用の時代は終わりつつあるから
- 理由2:中途採用の方が入社の難易度が低い可能性があるから
理由1:終身雇用の時代は終わりつつあるから
仮に第一志望の企業に入社できたとしても、一生その会社で働くとは限りません。
なぜなら、もはや終身雇用の時代は終わりつつあり、転職を余儀なくされる可能性が高いからです。
あのトヨタですら「今のままだと終身雇用は難しい」と言っていますしね。
なので、第一志望の企業に入社できなかったとしても落ち込むことはないのです。
理由2:中途採用の方が入社の難易度が低い可能性があるから
「うーむ、第二志望の企業に就職してみたけど、やっぱり第一志望だった企業で働きたい…」
こうなった場合は、第一志望だった企業への中途入社を狙ってみましょう。
いわゆる転職ですね。キャリア採用とも言います。
もしかしたら新卒入社より中途入社の方が選考の難易度が低いかもしれません。
と言いますのも、トヨタなんかは中長期的に中途採用の比率を5割に上げることを発表しています。
つまり、新卒主義の日本側雇用は縮小していき、中途採用で即戦力をバンバン採るという方向にシフトしていく可能性が高いです。
となると、とりあえず就職しておいて、市場価値の高いスキルを獲得しつつ、満を持して第一志望の企業に転職するというのは、割とスタンダードなスタイルになりそうです。
というわけで、第一志望の企業から内定をもらえなかったとしても、落ち込む必要はなく、前向きに就職しましょう。
どうしても諦めきれなかったら、転職すればいいんですから…!