就活をする上で今では当たり前になりつつあるのが、「OB訪問」ですよね。
OB訪問はかなり昔からあるものですが、「Matcher(マッチャー)」や「ビズリーチ・キャンパス」などのOB訪問アプリの登場で、より簡単にOBを探すことができるようになったため、いまでは就活での情報収集における常套手段となりました。
「OB訪問 やり方」とか「OB訪問 マナー」とかでググると、OB訪問で注意すべき点や守るべき事項が書かれている記事がたくさん見つかるかと思いますが、中には「そんなことまで気にしなくていいのにな…」と思うものもあります。
本記事では、OB訪問アプリで企業公認リクルータとして活動している僕が、OB訪問で守るべき本当のマナーを解説します。
OB訪問で守るべきマナーとしてよく書かれていることは?
OB訪問をする際のマナーとして、おおむね以下のようなことが書かれているかと思います。
- その1:OB訪問を依頼するときは失礼のないように敬語を正しく使うこと
- その2:訪問当日はスーツで行くこと
- その3:調べたらすぐにわかるようなことは質問しないこと
- その4:デリケートな質問(給料や残業時間など)をしないこと
- その5:カフェなどで面談をした場合は支払う姿勢を見せること
- その6:面談後は必ずお礼のメッセージを送ること
一見、「え、別に普通じゃね?」と思うかもしれませんが、正直、上記のマナーはすべて語弊があるかなと思っています。
順番に解説していきます。
その1:OB訪問を依頼するときは失礼のないように敬語を正しく使うこと
「失礼があってはイカン…!」と、「OB訪問 依頼 例文」とかでググりつつ、しっかりと敬語も使いながら完璧な依頼文を完成させる。
こういう姿勢自体はとても素晴らしいのですが、社会人側からすると、敬語が多少間違っていようと、ちょっと失礼な表現があろうと、「失礼のないようにと、頑張って書いてくれたんだな」というのはわかるものなので、それほど気にしなくてOKです。
むしろ、敬語や表現より、以下の情報をしっかり盛り込むように意識すべきです。
- 自分の所属、名前
- 就活の状況(広く色んな業界を見ているのか、業界まで絞れているのかなど)
- OB訪問で聞きたいこと
- 訪問の希望の日時、場所
つまり、敬語や表現より伝えるべき内容を漏れなく伝えることが重要です。
その2:訪問当日はスーツで行くこと
いざOB訪問に行くとなった場合、先方から「服装は自由です」と言われることがありますよね。
そういう場合、「無難にリクルートスーツで行きましょう」と書かれている記事が多いのですが、これは完全に時と場合によるかなと思っています。
例えば、以下に該当する場合、スーツで行っても浮くだけです。
先方の仕事が休みの日にカフェで面談
社会人側は「よっしゃ、OB訪問で学生来るからスーツでビシッと決めていくか」なんてことは考えないので、普通にカジュアルな服装で行くと思うんですよね。
まぁ、OB訪問が事実上の選考を兼ねているという企業の場合はこの限りではありませんが、一般的なOB訪問の場合は、上記に該当するのならば、小綺麗な私服で行くのがいいでしょう。
むしろ、スーツなんかで行ったら「え、スーツで来たの!?」と驚かれてしまいます。
逆に、以下に該当するような場合はちゃんとスーツで行きましょう。
金融系の企業で、先方のオフィス近くのカフェで面談
先方は間違いなくスーツでしょうし、私服で行ったら「あー、私服で来ちゃったのかぁ…」と思われてしまいますからね。
その3:調べたらすぐにわかるようなことは質問しないこと
まぁこれはそのとおりかなと思います。
とは言え、「調べてみたら一応わかったものの、万が一、これが事実じゃなかったら、志望度がめちゃくちゃ下がるな…」という場合は、しっかり事実を確認したくなりますよね。
こういう場合は、ググればすぐにわかることでも、OB訪問でしっかりと確認すべきです。
聞き方としては以下のとおりです。
- 御社は○○だと理解しているのですが、合っていますか?
- △△という風に認識しているのですが、実態はどうでしょうか?
「一応調べてきたんですけど、こういう理解で合ってますかね?」というスタンスならば、社会人側は嫌な気がせず、むしろ「おっ、ちゃんと調べてるやんけ…!」と関心するものです。
その4:デリケートな質問(給料や残業時間など)をしないこと
「給料や残業時間など、本質以外のことは聞いてはいけません」みたいなことを書いている記事をよく見かけるのですが、もし、それをOB訪問で聞かなかったとしたら、一体どこで聞けばいいんですかね。
サラリーマンとして就職する以上、労働の対価としてお金をもらうわけですから、給料や残業時間、福利厚生などの労働条件はめちゃくちゃ重要です。
企業公式の説明会で「ぶっちゃけ給料ってどうなんすかね?」とか「残業代、ちゃんと出ますかね?」とか聞けないから、OB訪問で聞くわけで。
まぁ、確かに自分が就活生のときのことは棚に上げて「え、給料?そんなこと聞くのかよ…」みたいな人もいます。
なので、給料や残業のことを聞きたい場合は、OB訪問アプリのプロフィールとかで「給料のことや残業のこと、何でも話します!」みたいな人を選んで、訪問すればOKです。
ただ、あまりにド直球に「ぶっちゃけ給料どうっすか??」みたいな聞き方をしてしまうと、「何でも話します!」の人もムッとしてしまうかもしれないので、「給料のことを聞いてもいいでしょうか?」みたいにお伺いしつつ、聞くようにしましょう。
その5:カフェなどで面談をした場合は支払う姿勢を見せること
学生より社会人の方がお金を持っているでしょうし、ましてやOB訪問を受けてくれるような社会人なので「じゃあ、ワリカンな」とか言う人はいません。
つまり、最初から学生に払ってもらおうなんて気はないんです。
あと、個人的には「お会計のときによく行われる、どちらが払うかの押し問答の茶番劇」が人生で一番無駄な時間だと思っているので、お会計の時に無理矢理「払います!」みたいなポーズは不要かなと思います。
自然体でOKです。
その6:面談後は必ずお礼のメッセージを送ること
これは人によってかなり違いがありそうですが、個人的には面談後にお礼のメッセージを送るよりかは、面談直後に「ありがとうございました」としっかりお礼を言うことの方が重要かなと思います。
メッセージよりも対面でお礼を言った方が、相手にしっかり伝わりますしね。
とは言え、「あれ?あの子からお礼のメッセージ来てないな…」という人もいますので、面談直後に対面でしっかりお礼を言いつつ、メッセージも送るのがよいでしょう。
OB訪問で守るべき本当のマナーはこちらです
というわけで、OB訪問で守るべき本当のマナーはこちらです。
- その1:OB訪問を依頼するときは失礼のないように気をつけること
- その2:訪問当日は清潔感のある服装で行くこと(場合によってはスーツ)
- その3:調べたらすぐにわかるようなことは「この理解で合ってますか?」という聞き方をすること
- その4:デリケートな質問(給料や残業時間など)はしっかり聞くこと
- その5:カフェなどで面談をした場合はきっとごちそうしてくれるので「ごちそうさまです!」とお礼を言うこと
- その6:面談後はその場でしっかりお礼を言うこと
上記のマナーは、基本的に以下の精神が根底にあります。
わざわざ時間を割いて情報提供してくれることへの感謝の気持ち
極論、これさえ忘れなければOKです。
正直、OB訪問って社会人側のメリットがめちゃくちゃ少ないんですよ。
たとえ企業公認のリクルータだったとしても、優秀な学生を見つけてきたからといって、給料が増えるわけでもないですしね。
なので、OB訪問をする側はほんの少しでいいので「感謝の気持ち」を忘れないようにしましょう。