冬の寒さが本格化してきた今日この頃、新卒でSIerにエンジニアとして就職してみたものの、「何か違うな…」と思い始めている人もいるのではないでしょうか。
「エンジニアとは名ばかりで、顧客との折衝とかベンダとの調整とかばっかりやんけ…」
「SIerってプログラミングやんないのかよ!」
こういった人はおそらく「Web系の会社にでも転職しようかな」と思っているかと思いますが、Web系に行きたいなら今すぐ行った方がいいです。
僕は某大手SIerに約12年勤務しているのですが、先日、某Web系企業に転職しようとしたところ、一次面接であっさり不採用を食らいました。
その経験を踏まえると、SIerからWeb系に転職するなら「できるだけ若い方がいい!」と思うんですよね。
本記事では、なぜSIerからWeb系に転職するならできるだけ早いほうがいいのかを解説します。
目次
Web系エンジニアに求められるスキルや経験は?
某Web系企業に転職を試みたものの、一次面接であっさり不採用になってしまいましたが、転職エージェントからの情報や一次面接時のやりとり、一次面接での不採用理由を勘案すると、Web系企業にエンジニアとして転職するには、以下のスキルや経験が必要です。
- その1:Webアプリケーションの実装スキル
- その2:アジャイル開発の経験
- その3:モダンな開発環境での開発経験
順番に説明していきます。
その1:Webアプリケーションの実装スキル
フロントエンドしかりサーバサイドしかりですが、Webアプリケーションの開発経験やスキルがないと、Web系エンジニアへの転職は厳しいです。
フロントエンドエンジニアならば、HTMLやCSS、JavaScriptの実装スキルは必須ですし、サーバサイドエンジニアなら、JavaScript、SQL、シェルスクリプトあたりのスキルが必要でしょう。
「CSSですか?あー、わかります。何となくですけど」とか「SQLですか?あー、書いたことありますよ。”SELECT * FROM ~”って書いときゃOKなやつですよね?」みたいな感じだと相当厳しいでしょうね。
その2:アジャイル開発の経験
SIerで採用される開発手法は、アジャイル型ではなく、ほとんどがウォーターフォール型です。
プロジェクトによっては、ごく稀にアジャイル型を採用することもありますが、往々にしてクライアント企業側がアジャイルを正しく理解できず、「アジャイルってあれだろ?あとになっても仕様変更OKなやつだろ?」みたいな感じなので、積極的にアジャイル型を採用するという流れにはなっていません。
一方、Web系はと言うと、クライアント企業からの受託開発ではなく、自社サービスの開発なので、もっぱらアジャイル型が採用されています。
なので、「アジャイルですか…?えーっと、聞いたことはあります…!」みたいな感じだと、ちょっと厳しいかなと思います。
その3:モダンな開発環境での開発経験
SIerなんて、ぶっちゃけ「昭和かよ!」と突っ込みたくなるぐらいに古めかしい開発環境で開発していることが多いと思います。
連絡手段はEメールと電話、進捗管理は誰かが作った謎のExcelフォーマット、課題管理もExcel、ライブラリ管理はローカルに作ったSubversion、IDEはめちゃくちゃ古いバージョンのEclipse、フォーマッターは「何それ?」って感じで、テストは全部手動、デプロイももちろん手動みたいな感じですよね。
たぶんこんな開発の仕方をしているのは世界中探しても日本のSIerだけで、Web系の会社なんかはもっとモダンな開発環境を使っています。
僕、一次面接で「ハラペコさんの会社って、コミュニケーションツールはSlackですか?それともChatworkですか?」って聞かれたので「どちらもセキュリティポリシーで禁止されてるんですよね」って正直に答えたら「は?」って言われましたもん。
あんなにはっきりくっきり「は?」って言われたの、生まれてはじめてでしたよ…。
残念ながらWeb系で必要なスキルはSIerでは得られません
ここまで読んでくれた方の中には、すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんね。
「あれ?SIerで働いても、Web系に転職するためのスキルって身につかなくね?」
そうです。そのとおりです。
SIerもWeb系も同じIT企業ですが、「得られる経験やスキル」という意味では、実はこの2つは完全に似て非なるものです。
どれだけSIerで一生懸命働いても、Web系のエンジニアに求められるスキルや経験は身につきません。
僕が某Web系企業に落ちたのも「必要なスキルや経験がないから」という理由でした。
実はエンジニア職ではなく、プロジェクトマネージャ職での応募だったのですが、さすがはエンジニア主体のWeb系企業だけあって、「実装スキルがないやつにマネージメントなんてできるかい!」という感じでしたね…。
でもSIerからWeb系に転職する方法があります

「え、じゃあ、一回SIerに就職しちゃったら、Web系には転職できないの…?」
いいえ、実はそんなことはありません。
SIerエンジニアにもWeb系エンジニアに転身できる方法がちゃんとあります。以下のとおりです。
- その1:副業でスキルや経験を身につける
- その2:今すぐ転職活動をする(※20代の場合のみ有効)
それでは順番に説明していきます。
その1:副業でスキルや経験を身につける
これはシンプルな方法ですね。
本業のSIerで必要なスキルを身につけられないのなら、家でコツコツ必要な知識を勉強しつつ、副業で実務経験を積めばOKです。
とは言え、SIerはかなりの激務です。拘束時間がめちゃくちゃ長いです。
なので、そもそも副業の時間を確保するのが非常に難しいということと、そんな状況で苦労して副業の時間を確保するわけですから「絶対Web系に転職するぞ!」という強い意志がないと「時間作るの大変過ぎ…。もうSIerのままでいいや…」となってしまいます。
ちなみに僕の場合、子供がまだ小さかったですし、何より下の子の夜泣き真っ最中だったので、「副業する余裕なんてない!そんな暇あったら寝たいわ!!」とあっさり諦めてしまいました…。
その2:今すぐ転職活動をする
個人的にはこちらの方法がおすすめです。若い方、おおむね20代ぐらいの方に限定されてしまいますが…。
20代であれば、たとえノースキルだったとしても、ポテンシャルを買われてWeb系に転職できる可能性があります。
ポテンシャル採用なので、若ければ若いほど有利です。
なので、もしあなたが20代前半~中盤なのであれば、今すぐ転職活動をすることをおすすめします。
もしあなたが若い場合は、ノースキルでもWeb系に転職できる可能性が高いです
上記のとおり、若手のうちは経験が伴っていなくてもポテンシャルを買われて転職できるケースが多いため、転職は早ければ早いほうが吉です。
仮に、今すぐ転職する気がなくても、Web系企業ではどういうスキルや経験が求められているのかを理解しておくことは、今後のキャリアを考える上で非常に重要です。
もしかしたら「あ、今のスキルでもこの企業だったらいけるかも…!応募してみようかな…!」みたいなこともあるかもしれませんしね。
何はともあれ、転職サイトや転職エージェントに登録しておき、情報収集だけは始めておくことをおすすめします。
たいていの転職サイトや転職エージェントは登録料・利用料が無料ですしね。
特に、転職エージェントについては、会員登録をしつつ「Web系企業への転職希望」とリクエストしておけば、キャリアアドバイザーの方がおすすめのWeb系企業の求人をどしどし送ってくれます。
また、Web系企業への転職に向けて、今後の具体的なキャリアプランについてもアドバイスをしてくれますので、登録しておかない手はありません。
以下の3つは、僕が実際に使ってみた転職エージェントで、優良な求人、かつ、いいエージェントさんに巡り会うことができたものです。
とりあえず、登録だけはしておくことをおすすめします。
- 「リクルートエージェント | 転職支援実績No.1」
→リクルートが運営する国内最大級の転職エージェントです。求人数が非常に多いことに加えて、優秀な担当者の方が多いため、まずはここに登録することをおすすめします。利用料は完全無料です。 - 「ビズリーチ | 国内最大級のハイクラス転職サイト」
→ハイクラス(年収600万程度)向けの転職サイトです。プランによっては有料なのですが、3ヶ月ぐらいはすべて無料で体験可能なので、まずは登録してみましょう。無料体験が終わると、自動的に無料プランに移行するという親切設計なので、「知らないうちに課金されてた!」みたいなことはありません。 - 「リクルートダイレクトスカウト(旧名称:キャリアカーバー) | リクルート運営のハイクラス転職サイト」
→リクルートが運営するハイクラス転職エージェントです。ビズリーチと違って完全無料なので、期間を気にせずに自分のペースで転職活動を進めることができますし、自分に合う担当者の方もじっくり探すことができます。完全無料がいいという方はこちらがおすすめです。
以上です。
あなたが無事にWeb系企業に転職できることを祈っています!