【就活生向け】OB訪問のメリット、デメリットを社会人が解説します

Matcher(マッチャー)」や「ビズリーチ・キャンパス」などのOB訪問アプリの登場により、OB訪問が手軽にできるようになりました。

とは言え、いくら手軽にOB訪問ができるようになったからと言って、イケてそうなOBを探してアポを取ったり、わざわざ会いに行ったりしないとといけないので、面倒くさいと言えば面倒くさいです。

「OB訪問って面倒くさくない?そもそもやる意味あんの?」

「色々教えてくれそうだしメリットはあるんだろうけど、逆にデメリットってないの?」

こういったことを思っている就活生も多いのではないでしょうか。

本記事では、某大手IT企業に約12年勤めつつ、インターンの受け入れをやったりOB訪問アプリに登録してOB訪問を受けたりしている僕が、社会人から見たOB訪問のメリットとデメリットを解説します。

OB訪問のメリットは?

まずはOB訪問のメリットからです。

おおむね以下のようなメリットがあります。

  • メリット1:具体的な仕事内容を聞くことができる
  • メリット2:その企業の社員の人柄を知ることができる
  • メリット3:給料や残業など、企業説明会では得られない情報を入手することができる

順番に説明していきます。

メリット1:具体的な仕事内容を聞くことができる

よく就活経験者から「企業研究は超重要なのでしっかりやったほうがええで」みたいなことを聞くと思いますが、正直、Webで調べたり、企業説明会に行ったところで、その企業のこととか仕事内容ってボンヤリとしかわからないと思うんですよね

僕はIT業界の中のシステムインテグレータと呼ばれる企業に勤務しているのですが、ぶっちゃけ、いくらググっても実態がよくわからないと思うんです。

システムインテグレータはシステムを開発する会社なんですが、「システムってどうやって開発すんの?」とか「具体的に毎日どういった仕事をしてるの?」っていくらWebで調べてもわからない。

それなのにいざエントリーシートを出そうと思ったら「当社で実現したいことを具体的に述べよ」みたいなことを平気な顔して聞いてくる。

「いやいや、そんなこと聞くなら、もっと具体的に仕事内容を教えんかい!!!!」って感じですよね。

そこで登場するのがOB訪問です。

OB訪問アプリに登録している社会人は、基本的に就活生の力になりたいと思っている人ばかりなので、気になる企業の社員をつかまえて「具体的な仕事内容を教えてください!!」とお願いすれば、サクッと教えてくれます。

仮に「うーん、聞いてみたけどまだ具体的なイメージが湧かないなぁ…」といった場合でも、別の社員をつかまえて同じことを聞けばいいだけですしね。

OB訪問は便利に使いましょう。

メリット2:その企業の社員の人柄を知ることができる

もしかしたら「OB訪問では企業や仕事のことを聞くもの」と思っているかもしれませんが、実は

  • その企業にどういう人が勤めているのか?
  • 目の前の社員と一緒に働くイメージを持てるか?

をチェックできるいい機会なのです。

「類は友を呼ぶ」と言いますが、不思議なことに会社もそういう性質を持っています。

つまり、OB訪問で訪問した社員と似たような性質の人がその企業にたくさんいるということです

いくら社風や仕事内容がよかったとしても、「うーん、この人と一緒に働くのはちょっとな…」と感じたのなら、その企業に就職するのは辞めた方がいいかもです。

僕の経験上、仕事内容がだいぶイマイチでも、同僚や先輩・後輩がいい人であれば、「まぁもうちょっと今の仕事を続けるか…」と思えるのですが、逆に仕事内容がめちゃくちゃ良くても、同僚や先輩・後輩が自分と全然合わない人だと仕事を続けるのが苦痛になり、今すぐ辞めたくなります。

メリット3:給料や残業など、企業説明会では得られない情報を入手することができる

就職先を選ぶにあたって、企業規模や社風、仕事内容も大切ですが、

  • 具体的な年収はどんな感じ?
  • 管理職になったら年収はどれぐらいになるの?
  • 残業多すぎない?
  • 年休って普通に取れる?

などなど、いわゆる労働条件もめちゃくちゃ大事じゃないですか。

でも、いまの就活ってこういうことを企業説明会などの公式な場で聞くのはNGとされていますよね

実際、企業説明会で「給料はどうですか?」とか「毎月の残業時間ってどれぐらいですか?」みたいなことを聞こうもんなら、人事部の人は裏で「アイツは給料とか残業とか、本質以外のことを気にしすぎていてダメだな!!!!」みたいなことを言うわけです。

給料やら残業やらの労働条件は就活生全員がめちゃくちゃ気になることなのに、なぜか公式には聞いてはいけない世の中なのです。謎ですね。

「謎ですね」とか言っていてもしょうがないので、解決策を提示すると、こちらも「OB訪問で聞く」というのがベストプラクティスになろうかと思います

ただし、1点だけ注意事項があります。

OB訪問アプリには人事部の息が掛かった「企業公認リクルータ」がおり、彼らに「給料どうっすかね??」なんて質問すると評価が下がってしまい、選考に影響を及ぼす可能性があります。

なので、企業公認リクルータではない人を選ぶようにしましょう。

僕の経験上、以下に該当する人は企業公認リクルータではなくただのボランティアである可能性が高いので、以下に該当する人を訪問しつつ、「どうしてこういった活動をされているんですか?」とか「こういった活動は会社からお金が出たりするんですか?」などと質問し、それとなく企業公認リクルータかどうかを確認するようにしましょう。

  • 平日の夜ないしは土日祝日に訪問対応する人
    →ボランティアで活動している場合、年休や時間休を取ってまで対応する人は少ないから
  • 「給料、残業など、何でも答えます!」と宣言している人
    →企業公認リクルータの場合、こんなこと普通は言わないから

割合的には、ボランティアで活動している人が圧倒的に多いので、探せば普通に見つかると思いますよ。

OB訪問のデメリットは?

OB訪問には有益な情報が得られるというメリットがある一方、もちろんデメリットもあります。

おおむね以下のとおりです。

  • デメリット1:社員や内定者が上から目線で萎える
  • デメリット2:自分の欲しかった情報を持っていない

ちなみに「激しく面倒くさい」というデメリットは言わずもがな、ということで書いていません。

それでは順番に説明していきます。

デメリット1:社員や内定者が上から目線で萎える

正直に言いますと、OB訪問というシステムは、企業公認リクルータであろうとボランティアであろうと社会人側のメリットがめちゃくちゃ少ないんです。

なのに、わざわざOB訪問アプリに登録してOB訪問を受けている。

このモチベーションはどこから来るかと言いますと、おおむね以下のいずれかです。

  1. 虚栄心
    →「情報強者としていい格好をしたい!」
  2. 老婆心
    →「同じ苦労をさせたくない…」

感覚的には、若い社会人は①をモチベーションにOB訪問を受けていて、僕みたいな中年は②な気がします。

OB訪問アプリを見ればわかりますが、社会人として登録している人って圧倒的に若者が多いんですよね。

つまり、①の人が圧倒的多数ということであり、確率的に以下のような上から目線の社会人に当たる可能性が高いです

え、そんなことも勉強してないの?

そんな志望動機じゃ一次面接にすら進めないわw

社会人側のメリットが少ないというシステム上、どうしてもこういう人たちが出てくるんですよね。

「ずいぶん上から目線やなw」と思えるレベルでしたら、有益な情報を得られる対価だと思って我慢するのが現実的かなと思います。

ただし、あまりに高圧的な物言いをしてきたり、人格拒否をしてくるようなハラスメントを受けた場合は、しっかりとOB訪問アプリの運営に通報しましょう。

もし、こういう人に当たるのがどうしても嫌なら、②のモチベーションで活動していそうなおじさん社会人に声を掛けてみるといいかもです。

デメリット2:自分の欲しかった情報を持っていない

割と勘違いしている人が多いかもしれませんが、いくら社員と言えども自分の会社のありとあらゆることを知っているわけではありません

同じように、内定者だからと言ってその会社の求める人物像を完璧に抑えているわけでもない。

つまり、自分の知りたい情報を一人の社会人や内定者からすべて聞き出すのは無理なので、網羅的に情報を集めるなら、複数の人を訪問する必要があるということです

さらに、自分が知りたい情報を一体誰が持っているか、見当がつかない状態でやみくもに訪問しても「すみません、○○のことはあんまり知らないんですよね…」とか言われて徒労に終わってしまいます。

これは本当に時間の無駄ですよね。

ご参考までに、OBのカテゴリとそれぞれが持っている情報を記載します。

  • 内定者
    →選考に関する最新情報(エントリーシートの書き方や選考プロセスの詳細など)
    →競合他社に関する最新情報
  • 社会人(若手)
    →若手社員目線での労働条件(入社1年目の年収や残業時間など)
    →自分が所属している部署の仕事内容
  • 社会人(ベテラン)
    →役職ごとの労働条件(課長の年収、部長の年収など)
    →自分が所属している部署の仕事内容
    →会社の動向(今後、どの事業に力を入れていくか?など)

勘違いしている就活生が多いかもしれませんが、実は社会人って「労働者目線での競合他社の最新情報」って持っていないことが多くて、このあたりは実は内定者が一番詳しいんですよね…。

就活生の人は注意しましょう。

最後に

OB訪問は調整が面倒くさかったりOBガチャみたいな側面があるので、割と疲れると思うのですが、うまく使えば就活に有益な情報をゲットすることができるので、余裕があればやったほうがいいかなと思います。

OB訪問で有益な情報をゲットしつつ、サクッと就活を終わらせましょう!!

関連記事