2020年4月、満を持してサービス開始された楽天モバイルのMNOサービス「Rakuten UN-LIMIT」。
楽天回線エリア内なら完全にデータ通信し放題だし、おまけに電話もかけ放題。これで月額2,980円というとんでもない価格設定です。
月額2,980円というだけでも十分えげつないのに、おまけに先着300万名を対象に1年間無料という、完全に常軌を逸したキャンペーンを展開している楽天。攻めまくってますよね…!
僕は東京23区住まいで、勤務先も東京なので、メインの生活圏はガッツリ楽天回線エリア内です。
「通信料削減の大チャンスじゃーー!!!!」と小躍りした僕は、さっそく楽天モバイルを使い始めたわけなんですが…。
無料サポータープログラムの時代から楽天モバイルを使いはじめて早3ヶ月。重大なことに気づいてしまいました。
それは
PayPay、LINE Pay、楽天ペイが使えない(ことが多い)
です。
楽天モバイルでPayPayなどのスマホ決済が使えないとはどういうことか、本記事で解説します。
「楽天モバイルに移行しようと思ってるんだけど、実際どうなの?」
「スマホ決済をガンガン使ってるんだけど、楽天モバイルでもちゃんと使えるの?」
こういった方の参考になれば幸いです。
目次
PayPay、LINE Pay、楽天ペイなどのスマホ決済は圏外(ネットにつながらない状態)だと使えない

PayPayをはじめ、大盤振る舞いとでも言うべき還元キャンペーンを打ち出すことによって、一般ユーザへの浸透が進んだスマホ決済。
使えるお店が着実に増えていることもあり、普段使いしている人も多いのではないでしょうか。
Felicaチップが載っていないスマホでも使えますし、一見何の死角もなさそうなスマホ決済ですが、実は以下のような制約があります。
ネットにつながってない(圏外など)状態だと使えない
もう少し正確に言うと、「支払いのときにネットに繋がっていないと、バーコードが表示されないので、スマホ決済が使えない」ですね。
PayPayや楽天ペイの公式サイトにも利用時は通信ネットワークが必要である旨、明記されています。
推奨動作環境 – PayPay よくあるご質問
楽天ペイ(アプリ決済)は、通信圏外でも利用できますか? | 楽天ペイ(実店舗決済)加盟店様向け: よくある質問
LINE Payの公式サイトには上記のような記載は見当たりませんでしたが、実際に圏外だと使えませんでした。そもそもLINEはネットを使ったメッセージングアプリなので「ネットがつながる状態で使うなんて当たり前ですよね」ということかもしれません。
なぜ圏外だとバーコードが表示されないかというと、不正利用防止の一環です。
さらに、バーコードには制限時間があって、制限時間を過ぎるとそのバーコードは無効になります。
たしかに、バーコードに制限時間がないと、バーコードを悪意のある人にスクショされたりすると、不正にお買い物し放題ですもんね。
バーコードの表示や更新は、ネットにつながっていないとできないようになっているので、きっとPayPayや楽天ペイのサーバと連携させることで実現しているのでしょう。
いずれにせよ、「オンラインの状態でないとスマホ決済で支払いができない」ということですね。
楽天モバイルは屋内に弱い(電波が弱くなる、圏外になる)


スマホ決済がオフラインの状態だと使えないのはわかったけど、それと楽天モバイルがどう関係するの?
こう思いますよね。
これが非常に残念なことに、
今の楽天モバイル(MNO)は屋内だとめちゃくちゃ電波が弱い(2020年5月現在)
という状況なんですよね。
実際、コンビニやスーパーなどの屋内店舗だと、結構な確率で電波が0本~1本をさまよう感じになります。地下にあるお店だと、圏外になることもありますし。
当然のことながら、圏外のお店ではスマホ決済は使えませんし、コンビニやスーパーでも電波が0本だとバーコードは表示されないことが多く、結果的に使えない羽目になります。
全面ガラス張り、みたいなお店(ファミレス等)だとバッチリつながるんですけどね。
なお、この話は楽天回線エリア内に限った話であり、楽天回線エリア外、つまり楽天の基地局が整備されておらず、auの回線を使う地域の場合は、こんなことは起こりません。
なぜ楽天モバイル、かつ、楽天回線エリア内が屋内に弱いかと言いますと、以下の理由からです。
- 理由:1.7GHzの周波数帯しか持っていないから(2020年5月現在)
以下で少し解説します。
理由:1.7GHzの周波数帯しか持っていないから(2020年5月現在)
MNO事業をする際、「よっしゃ、やったるでー!」と勝手に始めるわけにはいかず、総務省から「じゃあ、君はここの周波数帯、使ってええよ」と、いわゆる周波数帯の割当を受ける必要があります。
割当を受けると言っても、4G(LTE)の周波数帯って基本的には空きがないし、「割当してくれー」と申請したところで、それはまぁいろんな事情が加味された上での承認・割当となるので、実際に割当を受けるのは相当大変なんですよね。
2018年4月、楽天は1.7GHz帯の周波数の割当を受けて、MNO事業をスタートしたわけなんですが、ライバルであるNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクはもっとたくさんの周波数割当を受けてるんですよね。
こんな感じです。
令和元年度 携帯電話及び全国BWAに係る 電波の利用状況調査の評価結果の概要(案)
楽天モバイルにとって手痛いのは、屋内でも電波が届きやすい700~900MHzの低周波数帯、いわゆるプラチナバンドが割り当てられていないことです。
他の3社はプラチナバンドを割り当てられているので、屋内でもバリバリ電波が届くんですよね…。
これが楽天モバイルが屋内に弱い理由です。
「楽天回線エリア外の場合はこんなことは起こらない」と上述したのは、楽天回線エリア外はプラチナバンドを持っているauの回線しか使わないので、屋内でも問題なく通信できるんですよね(2020年5月現在)。
楽天回線エリア内でも、地下鉄なんかだとauの回線(一部の周波数帯)を使うようになっているので逆につながるのですが、地上の店舗だと中途半端に電波を掴んでしまい(0本~1本)、結果的にau回線に切り替わらず使えない、ということが多い気がします。
楽天モバイルをメイン回線として使うのはもう少し待ったほうがいいかも

楽天モバイル(MNO)はサービスがはじまったばかりということもあり、まだまだメイン回線として使うには頼りない部分が多いです。
特にスマホ決済を多用するとか、「パソコン用にテザリングしまくってるんですけど?」「屋内でネットが使えないとか意味不明」みたいな人は、楽天モバイルを使うのはもう少し待ったほうがいいですね。
もう少し待つと
- 割当周波数帯の拡大(特にプラチナバンド)
- フェムトセル(屋内アンテナ)の設置エリア拡大
あたりが進むと思いますので、断然使いやすくなるはずです。
とはいえ、「先着300万名まで1年間無料」はかなり魅力的なので、今使うとするならばサブ回線(2台目のスマホ)として使うことをおすすめします。
以上です。ご参考になれば幸いです。