2019年12月、約12年間勤めたIT企業を退職し、製造業の会社に転職しました。転職後も引き続き、システム開発の仕事をするはずだったのですが…。
- 入社直前に会社の方針が変わり、入社してみたら応募ポストの仕事がなくなっていた
- 製造業の会社なのでシステム開発の仕事はほぼなく、門外漢の業務(ハードウェア製品の事業企画)にアサインされた
- 一応、成果を出せるよう努力してみたが、30代後半のド素人のおっさんが簡単に成果を出せるはずもなく、「これはアカンわ」とギブアップ
- 所属の組織長(人事権を保有)に「自分のスキルが少しでも活かせる仕事にアサインしてほしい」と言ってみたものの「部署を異動すればそういう仕事はあるが、四の五の言わず今の仕事をしてほしい」と言われてしまったので「これはアカンわ(2回目)」となり、転職を決意
というわけで、入社わずか5ヶ月で再度の転職活動をする羽目になりました。
一体なんなの、この会社。軽めの詐欺やんけ。
世間的にはちょうどコロちゃんが猛威を振るっており、経済状況が悪化の一途を辿っていた時期だったので「これは相当な長期戦になるか…!」と覚悟したのですが、結構あっさり内定をもらえました。
転職活動をしたのは約4ヶ月で、内定先は某大手通信キャリアです。
「在籍1年未満の短期離職」という超悪条件だったのですが、その割にはうまくいったのかなと思います。インフラ系はコロちゃんによる経済影響をほとんど受けなかった、というのもあると思いますが…。
とは言え、やはり1回目の転職活動よりは格段に難易度が上がっており、「まぁ書類は通るやろ」というところからもバシバシお見送り連絡が来ました。仮に書類が通ったとしても一次面接で落とされること多数。
書類やら一次面接やらでバッサリ切られまくるなかで必死に試行錯誤を繰り返し、何とか内定をゲットすることができました。
本記事では、転職してすぐに転職する、いわゆる短期離職における転職活動のポイントを僭越ながら解説させていただこうと思います。
- 入社前に説明された労働条件が全然違った。すぐにでも転職したい…
- 完全にミスマッチ。こんなはずじゃなかった…
- 入社したけど何か違った。もう一回転職したいけどうまくいくか不安…
こういった方の参考になれば幸いです。
転職後すぐの転職(短期離職)を成功させるためのポイント

「入社してみたら自分の仕事がなくなっていた」「自分のスキルを活かせる仕事がなかった」というような方が転職する場合に限定されてしまいますが、僕が実際に短期離職での転職活動をしてみた結果、以下が成功のためのポイントだと感じました。
- その1:応募先の会社にとって、募集ポストの仕事がメインストリームなのかどうかを調べる
- その2:異動希望がとおりやすいかどうかをクチコミサイトで調べる
- その3:面接時、転職理由を正直に、端的に、でも丁寧に説明する
- その4:面接時、「転職しないことも選択肢」と素直に伝える
それでは順番に説明していきます。
その1:応募先の会社にとって、募集ポストの仕事がメインストリームなのかどうかをクチコミサイトで調べる
僕の場合、「製造業の会社にシステム開発ポストで入ったものの、方針が変わってそのポストがなくなってた」という状況だったのですが、そもそも製造業ってメインのお仕事はモノづくりですので、IT関連の仕事って全然メインストリームじゃないんですよね。
つまり、会社に存在する仕事のほとんどはハードウェア製造に関するもので、ITの仕事なんてほぼないんです。
まぁ、情報システム部門にはITの仕事はありますが、仕事量の割合的には多くて数パーセントレベルでしょう。
今回の僕の反省点は、
というところです。
「ま、ITの仕事なくなったら製造の仕事覚えればいっか」という覚悟があればよかったのでしょうが、30台後半でガラッとキャリアチェンジする勇気はありませんでした…。
僕みたいな思考の人は、おそらくITの仕事がメインストリームの会社を選ぶのがベターなんだろうなと思います。
なぜなら、仮に応募ポストの仕事がなくなったとしても、メインの事業がITであれば、自分のスキルを活かせるITの仕事が他にもたくさんあるからです。
これに気づくまでは「とにかくたくさん履歴書を送らないと…」と思い、手当たり次第に応募しまくっていたのですが、ぶっちゃけ書類通過率はかなり低かったです。
「IT事業がメインの会社」にターゲットを絞ってからというもの、書類通過率は格段に向上しました。まぁIT業界出身なので、当たり前っちゃあ当たり前なのですが…!
その2:異動希望がとおりやすいかどうかをクチコミサイトで調べる
所属の組織長に「自分のスキルを活かせる仕事にアサインして欲しい!!」と直談判した際、
「情報システム部などに異動すれば、ITスキルを活かせる仕事はある」
「でもせっかくウチの部署に入ったんだから、しばらくはウチの部署で仕事をしなさい」
と言われたわけなんですが、僕の感覚だと
- 即戦力を求められる30代後半のキャリア採用者に、専門外の仕事を押しつけたところで期待レベルのパフォーマンスは出せない
- つまり、会社からするとコスパがめちゃくちゃ悪くなるので、合理的に考えればキャリア採用者には自身のスキルを十分活かせる仕事にアサインすべき
という感じだったので、組織長のこの発言には心底驚きました…!
あとからOpenWorkのクチコミをくまなくチェックしたところ、僕が入社した会社は「各部署での縄張り意識が強く、異動希望はほとんど通らない」会社とのことでした。まさにクチコミどおり。
というわけで、今回の僕の反省点は、
ことです。
なので、再転職活動時には、履歴書を送る前にその会社のクチコミをOpenWorkや転職会議で調べまくり、異動希望がとおりやすいかどうかをしっかりチェックすることにしました。
注意点としては、異動希望がとおりやすい会社は得てしてジョブローテーションが発生する会社だということです。
僕は「定期的に部署異動が発生する」会社よりも「自分のスキルが活かせない仕事を無理矢理やらされる」会社の方が圧倒的にイヤなので、異動希望がとおりやすい会社にターゲットを絞りました。
ここは人によって価値観が違うところですね。
その3:面接時、転職理由を正直に、端的に、でも丁寧に説明する

というわけで、
- ITスキルが活かせる仕事が多い
- 異動希望がとおりやすい
という条件で会社を絞って、ドシドシ応募しまくりました。
条件を絞る前は書類選考で落ちまくっていたのですが、条件を絞ってからは不思議と書類通過率が上がりました。
書類審査がとおれば次は面接に進むわけですが、面接で必ず聞かれるのが転職理由ですね。短期離職になりますので転職理由は先方も十分気になるところでしょう。
僕の場合、以下の点に注意して転職理由を説明するようにしていました。
- 転職理由は正直に語る
- 転職理由は端的に、でも丁寧に語る
本音の転職理由が「職場の人と合わない」「何か思ってたのと違った」という、割と抽象度が高くてネガティブな場合は、説得力を持たせつつ、ポジティブな理由に変換する必要がありますが、僕の場合はさほどネガティブな理由ではなかったので、面接では正直に話していました。
その結果、転職理由に拒否反応を示されたり、突っかかられたりしたことは一度もありませんでした。
なので、差し支えのない範囲で正直に話すのがいいかと思います。変にウソを交えると、受け答えで矛盾が生じたり、足下をすくわれたりすることがありそうです。
また、転職理由は端的に語るようにしつつも、できるだけ丁寧に説明するようにしていました。
面接の冒頭で「自己紹介と弊社の志望理由を教えてください」と指示された、つまり転職理由の説明リクエストがなかった場合でも「短期離職になりますので、志望理由の前に転職理由をご説明させていただいてもよろしいでしょうか?」と一言添えつつ、転職理由を説明するようにしていました。
僕の場合、「今の会社にシステム開発職で転職したのですが…」というところから話を始めないといけないので、無駄に話が長くならないよう、ストーリーに関係のない情報はできるだけそぎ落としながら、最短ルートで転職理由に帰着するよう、ストーリーをガッチリ考えて面接に臨みました。
その結果、転職理由で引っかかられたり、意地悪な質問をされたり、ということはありませんでした。
実際、何社も面接を通過していますし、内定をもらった企業もありますので、大きな問題はないのかなと思います。
その4:面接時、「転職しないことも選択肢」と素直に伝える
先方の面接官はいわば採用のプロですので、変にウソをついたところで見透かされてしまう可能性が非常に高いです。
なので、基本的には「正直に話をする」必要があります。
僕も入社後わずか5ヶ月で転職活動をしていましたが、本音は
- 入社1年未満で再転職するとなると、次の会社には結構長く在籍しないといけないなぁ…
→次の会社も短期で離職してしまうと、完全にジョブホッパーだと勘違いされて後々動きにくくなる。 - せっかく入社したんだし、本当は今の会社で自分のITスキルが活かせる仕事をさせてもらえるのが一番いいんだけどなぁ…
→そのために入社したんだし。
と思っていました。
なので、面接時も
- こうして転職活動をしているが、あくまで「転職も視野に入れている」というだけで、現在も人事部や組織長と話し合いを続けている
- 短期離職になってしまうがジョブホッピングの意図ではない。本当はしっかり腰を据えて会社の事業に貢献したいと思っている
ということを正直に話していました。
先方からの反応としては「まぁそうですよねぇ」という感じがほとんどだったので、このあたりも正直に話してしまってOKなんじゃないかと思います。
最後に

ここまで「短期離職でも大丈夫!!うまく転職するコツを教えます(キリッ」という感じで説明してきましたが、実は私、内定を辞退して現職に留まることにしました。
「なんじゃそらーー!!」「詐欺やんけ!!」みたいな声が聞こえてきそうですが…すみません。
いや、本当は内定をいただいたところに転職しようと思っていたんですよ。実際に退職の準備を進めていましたし。
お世話になった人に「退職することにしました」って挨拶回りをしていたところ、入社時の直属の上司だった人から「今度、新組織を作ってITサービスの事業開発やるから、システム開発職としてウチの部署に来たらええやん」と言われましてね。それが僕のやりたいこと・やれることにビシッとハマってましてね。
人事や組織長に「転職先決まったので退職します。あ、でも●●っていう部署に今月中に異動させてくれるなら辞めません」って言ってみたら、あっさり異動が決まりましてね。
それで、現職に留まることにしました。
よく「転職の決意をしたら引き留めにあっても辞めた方がいい」という意見もありますが、まぁせっかく現職に転職してきたんだし、自分のスキルが活かせる仕事があれば残りたいというのが正直なところだったので、思い切って内定蹴っちゃいました。
数年後に激しく後悔しているかもしれませんが、そのときはそのときかな…と。
というわけで、僕は結局転職しなかったのですが、バッチリ内定はもらえたので、ある程度再現性はあるのかなと思います。
僕と同じような境遇の方の参考になれば幸いです。