こんにちは、ハラペコです。
今日は僕が新築ワンルームマンション投資に手を出して大失敗したときの話を書こうと思います。
これから新築ワンルームマンション投資を始める人、始めようかなと思っている人にぜひ読んでほしいです!
それでは行ってみましょう!
目次
新築ワンルームマンション投資とは
新築ワンルームマンション投資とは不動産投資の中の1つです。
日本はこれから人口が減少していきますが、東京などの大都市ではそれほどワンルームマンション(単身向け)の需要は減らないだろうと言われています。なぜなら学校や就職先の会社なんかは大都市圏に集中していて、この状況はこれからも大きくは変わらないと予想されるからです。
実際、僕が新築ワンルームマンション投資を始めた2010年頃、東京では通称「ワンルームマンション規制」が強化されつつありましたが、それでも新築ワンルームマンションがボコボコ建ちまくっていた印象です。
一般的にワンルームマンション投資は以下のメリットがあると言われています。
- 年金代わりになる
- 生命保険代わりになる
- 節税になる
- 空室リスクが少ない
- 家賃の下落リスクが少ない
- インフレに強い
さらに、新築の場合は以下のメリットがあると言われています。
- 空室リスクを業者が肩代わりしてくれる場合が多い(サブリース契約)
- 元手がゼロでも満額融資を受けられる可能性が高い
それでは1つ1つ説明していきます。
年金代わりになる
僕のようなサラリーマンがワンルームマンション投資を始める場合、ほとんどの人が金融機関から融資(ローン)を受けると思います。
ローンの返済が終わるまでは、家賃収入とローン返済が相殺されるので黒字にならないことが多いのですが、ローンの返済が終われば家賃収入がそのまま懐に入ります。
ローンは数十年単位で組むことが多いでしょうから、よっぽど若い頃から始めない限り、ローン返済が終わる頃には年金をもらえる年齢になっているはずです。
「年金も将来どうなるかわかりませんし、ワンルームマンション投資をしておけば年金がなくなっても安心ですよ」ということです。
生命保険代わりになる
ローンを組んでワンルームマンションを購入する場合、「団体信用生命保険(通称:団信)」に加入することになります。
団体信用生命保険とは、ローンの借主が死亡した場合にローンの返済義務がなくなる、つまり、ローン(借金)がチャラになるという保険です。
もし団信に加入していないと、ローンの借主が死亡した場合に金融機関が貸したお金を回収できなくなるリスクが高まるので、金融機関側のリスクヘッジとして加入させられることがほとんどです。
なので「もしあなたが亡くなっても、借金がチャラになったうえ、家賃収入という不労所得を生み出す資産をあなたのご家族に残せるのです。生命保険代わりになるどころか、場合によっては生命保険よりも多くのお金をご家族に残せますよ。すごいでしょう?」ということです。
節税になる
ローンを組んでワンルームマンション投資を始めた場合、多くの人は家賃収入よりもローン返済額の方が大きくなります。なので、不動産所得はマイナス(赤字)になります。
税制上、不動産所得は損益通算できる所得になっているため、他の所得(サラリーマンであれば給与所得)と合算することができます。
不動産所得はマイナスなわけですから、合算すると合計所得が赤字分だけ少なくなります。
サラリーマンの場合、給与所得分の税金は既に納めているはずなので、「合計所得少なくなりました」と確定申告をすれば、その分だけ税金が返ってくるというカラクリです。
「ローン返済で一時的に赤字になりますが、確定申告で税金が戻ってくるので、持ち出し分はほとんどありませんよ!」ということですね。
空室リスクが少ない
大都市圏のワンルームマンションは需要が非常に高いと言われています。なので、多少築年数が経っていたとしても、空室が数ヶ月続くというのは考えにくいということです。
家賃の下落リスクが少ない
上に書いたとおり、ワンルームマンションは需要が高いので家賃を大きく下げないと借り手がつかないというのは考えにくいということです。
「ワンルームマンションは需要がありますからね。空室が何ヶ月も続くなんてことはほとんどないですし、ましては家賃の下落なんて当面心配する必要ありませんよ!」てなもんです。
インフレに強い
インフレとはご存じの通り、物の価値が上がり、お金の価値が下がることを言います。
不動産は現物資産ですので、物の価値が上がれば不動産の価値も上がっていきます。そうなると、得られる家賃収入も上がっていくはずだと言われています。
「現金預金だとインフレが起こると価値が目減りします。でも、不動産はインフレに応じて価値が上がっていきます。だから、現金を不動産に変えておくと将来インフレが起こっても安心ですよ」ということです。
空室リスクを業者が肩代わりしてくれる場合が多い(サブリース契約)
ここからは新築に限った話になります。
新築ワンルームマンションの場合、家賃保証(サブリース契約)がついている場合があります。僕の場合もそうでした。
サブリースとは転貸借のことです。つまり、不動産管理会社がマンションオーナからマンションを借り上げて、彼らが入居者に貸し出します。
サブリース契約というと、たいてい家賃保証のことを指します。サブリース契約とは、仮に入居者がつかなくて空室になったとしても、不動産管理会社が家賃分をオーナに払ってくれる契約のことです。
オーナから見ると、とても魅力的ですよね。
元手がゼロでも満額融資を受けられる可能性が高い
新築マンション投資の場合、かなりの確率で金融機関から満額融資を受けられます。なぜなら、新築マンションは資産価値が高いので、担保として非常に有益だからです。
また、借主がサラリーマンの場合はさらに満額融資の可能性が高まります。サラリーマンは安定的な収入があるので、金融機関からすると貸し倒れリスクが低いと判断するのでしょう。
僕が新築ワンルームマンション投資を始めた理由
このようにメリットだらけの新築ワンルームマンション投資ですから、無知な僕が手を出さないはずがありませんでした。
それに「不労所得」って何だか憧れますよね。
「不労所得が元手ゼロでGetできて、しかも節税効果で持ち出しはほとんどないなんて最高!やろうやろう!」
てな感じです。
不動産業者の言い分を鵜呑みにして、たいして調べもせずに始めたなぁ。
しかも2件。
1件よりも2件持ってた方がリスクヘッジになると言われたんですよね。今考えると「え、どういうこと?」と思うのですが、当時は「不労所得が倍になるやんけ!」ってことで特に考えもせずホイホイと2件目を購入しました。
ちなみに2件ともフルローンで購入しました。
僕が買った新築ワンルームマンションのスペックは以下の通りです。
■1件目(東京都品川区)
- 購入年:2009年
- 購入価格:2,260万円
- ローン金利:約3%(月額返済額:96,199円)
- ローン年数:30年
- 家賃:10万円
- 表面利回り:5.3%
■2件目(東京都江東区)
- 購入年:2010年
- 購入価格:2,100万円
- ローン金利:約3.7%(月額返済額:88,730円)
- ローン年数:35年
- 家賃:8万5千円
- 両面利回り:約4.8%
これを特に調べたり考えたりせず、「なんとなく」で購入しました。
無知って怖い。
こうして勢いだけで新築ワンルームマンションを2件も購入した僕ですが、この後、激しい後悔に襲われます(当たり前なんですけど)。
想定外のことが次々と起こり、どんどん赤字が膨らんでいきます……!
期待通り、最初の2年は節税効果により黒字!でも3年経つと赤字に…
不動産業者の言うとおり、最初の2年は赤字分が確定申告で丸々返ってきたので持ち出しはありませんでした。
でも、3年目を過ぎると徐々に持ち出しが発生していきます。
一体なぜでしょうか?
それは不動産投資の節税効果が高いのは最初だけだからです。
不動産を取得した年は不動産取得税等をはじめ、取得にかかる経費がかさむため、所得から多くの金額をさっぴけるんです。
僕は2009年に1件目、2010年に2件目を取得したので、最初の2年だけが黒字になったというわけです。
さらに、3年目以降の節税効果が薄くなっていくのは、建物設備の減価償却分が少なくなっていったからです。
まず、マンションの減価償却は「建物本体」と「建物設備(電気設備等のこと)」の2つに分けて実施します。なお、土地は価値が目減りしないと考えられているので、土地部分は減価償却できません。あくまで建物部分のみです。
で、建物の減価償却は「定額法」と決められているので定額法で行います。定額法というのは、価値が定額で目減りしていくと考えて、毎年同じ額で減価償却していくことを言います。
一方、建物設備の場合、昔は「定額法」と「定率法」のどちらかを選べたので、僕は「定率法」を選択しました。厳密に言うと、当時の僕は全然知らなくて、不動産業者に任せていたら自動的に定率法になっていたんですけどね。
定率法とは価値が一定の割合で目減りしていくと考えて、毎年同じ率で減価償却していきます。つまり、償却対象の資産額が大きいほど減価償却額は大きく、資産額が小さいほど償却額が小さくなっていきます。
定率法を選択するメリットは投資初期の償却額が大きくなるため、初期に元手を改修しやすいことです。
定額法と定率法が混じったときの償却イメージはこんな感じです。
つまり、時間が経過すればするほど、減価償却額(赤字分)が減っていくので、節税効果はどんどん減っていくんです。
当時は知らなかったなぁ。ちょっと調べればわかったことなんですけど…。
想定外のことが起こり赤字が拡大傾向に
さらに僕にとって想定外の出来事が起こります。まぁこれもちょっと調べれば完全に「想定内」にできたことですけどね。
サブリース契約の家賃保証額の値下げ
前編で書いたように、新築ワンルームマンションにはサブリース契約がついてくることが多いです。
僕のマンションにもついてきました。迷うことなく契約しました。
「よっしゃ、これで空室リスクはゼロや!」と思っていたのですが、マンション購入から5年後、サブリース契約更新のお知らせが届きます。
内容は「築年数経ってきたし空室リスクも上がってきたから、家賃保証額下げさせてもらうで」というものでした。
約8,000円の値下げです。
8,000円も減らされるの?あれ、赤字額がどんどん膨らんでいく…。
このあたりでようやく「あれ?」と思い始めました。
しばらく「不動産 投資 落とし穴」とか「新築ワンルームマンション投資 やばい」とかのキーワードでググりまくる日々を送ることになります。
修繕積立金の値上げ
「これは失敗したしたかもしれない」と思い始めた矢先、またもや想定外の出来事が起こります。
それは修繕積立金の値上げです。
こちらは持家としてマンションを購入された方にもお馴染みかと思います。
往々にして、新築マンションの修繕積立金は低く設定されています。これはどこかのタイミングで値上げするつもりだからなのですが、無知な僕はそんなこと知らなかったわけです。
今度は約5,000円の値上げです。
どんどん拡大していく赤字。
「これはどんどん赤字が拡大していきそうだぞ」と思い、ついに売却を考え始めます。
結局、売却することに
とりあえず、不動産業者に売却を検討していることを相談してみました。
彼らの言い分はこうでした。
「不動産投資は長期保有が前提です。今売るなんてもったいないですよ。それに長期保有の方が赤字リスクが減りますよ」
このあたりでさすがの僕も気づきました。
長期保有の方が赤字リスクが減るっておかしくない?赤字額の期待値は時間が経つにつれて右肩上がりに増えていくよね?そしたら赤字額の最大リスクも当然右肩上がりに推移するよね?
あれ?
なるほど、僕は無知が故に騙されているんだなとようやく理解しました。このまま持ち続けるのも精神的に悪いですし、何より着実に赤字が拡大していたので、他の業者に売却をお願いすることにしました。
売却するのにさらに560万円の赤字
購入してから約7年、一気に2件売却することにしました。お願いしたのは投資用ワンルームマンション専門の不動産業者です。
こんな感じで売却できました。
■1件目(東京都品川区)
- 売却価格(仲介手数料等を引いた額):1,630万円
- ローン残債:1,880万円
- 利益:-250万円
■2件目(東京都江東区)
- 売却価格(仲介手数料等を引いた額):1,560万円
- ローン残債:1,870万円
- 利益:-310万円
合計で560万円の赤字です。
今までの累積で考えると600万円以上の赤字ですね。
勉強料と考えるにはなかなかヘビーな金額…。無知とは愚かなり。
これから新築ワンルームマンション投資を始めるあなたに贈りたい言葉
こうして力ずくで新築ワンルームマンション投資から撤退した僕。たまたま撤退できるだけの余力があったのでよかったのですが、もし余力がなかったら今頃グロッキーな毎日を送っていたことでしょう。
最後に新築ワンルームマンション投資で大失敗した僕から、これから新築ワンルームマンション投資を始めようとしているあなたへメッセージを贈りたいと思います。
その1:フルローンで買うのはやめましょう
普通のサラリーマンがフルローンで買うのは自殺行為です。やめましょう。
その2:節税効果は最初だけです
節税効果を期待できるのは最初だけです。このことをしっかり頭に入れておきましょう。
その3:家賃保証はあてになりません
サブリース契約は永遠に続くものではありませんし、多少続いたとしても途中で保証額を値下げされます。このことを十分考慮しておきましょう。
その4:撤退の難易度が異常に高いです
不動産は実物資産ですので、撤退(売却)したくなってもすぐには撤退できません。しかも、不動産の売却は色々と専門的な手続きが必要になるため業者にお願いするしか方法がないですし、購入から短期間で売却しようとするとめちゃくちゃ持ち出しが必要になります。
以上の4点をしっかり理解してから、新築ワンルームマンション投資を始めて欲しいなと思います!!